イヤな出来事の忘れ方

病は気からと言います。

母が病気になった時に一番良い薬は忘れることですよ、と
ドクターに言われたことを思い出します。

忘れるというのは簡単にできるようで
簡単ではありません。

考えないようにしていても
頭や心の隅っこに引っかかっているし

そもそも考えないようにしよう、と
思うことがすでに考えているわけで…

忘れるって難しい、と
つくづく思うのです。

でもその反面、毎日身の回りで起きることの
大半を忘れて生きています。

駅まで歩く途中にすれ違った車の色
電車内で自分の正面に座っていた人の服装

人間は忘れるから生きていける

脳が必要な情報以外をカットしていて
現実の4割も実際には見ていないとも言われます。

簡単に忘れられるのに
簡単に忘れられない

これは一体なぜなのでしょう?

それは出来事に感情が付いてるか付いてないかで変わります。
記憶は感情が動いた時にします。

身の回りで起きる出来事は
一枚ずつフィルムとなって重なっていきます。

下になったフィルムは時間の経過とともに消えていきます。

これが「忘れる」ということ。

時が解決する、というのは本当です。

そのフィルムに良くても悪くても感情が付くと
似たような感情になった時に
同じ感情グループとして、過去のフィルムがピックアップされます。

これが「思い出す」「記憶」ということ。

悪い感情が心の中で浮かんだ時に
特に強く感情がついているフィルムが選ばれます。

そして、やっぱりいやだと、またそのフィルムに
感情を上塗りして保存します。

忘れたいものほど思い出すのはそのためです。

自動的に選ばれるようになっているし
選ばれるようにせっせと上塗りしています。

忘れるためには、イヤな気持ちになったときに
フィルムを取り出さないようにするしかありません。

感情の上塗りを止めればいいのです。

さて、どうしましょう?

一番簡単な方法は、イヤな気持ちになった時に
ホッと気楽になることです。

そのために、ちょっとだけ身体を動かします。

あ、イヤだなと感じた時に指を少し曲げたり、
少し首を傾けたり、手のひらを少し返したり
なんでもいいんです。

どこかを少し動かせれば。

そして、ちょっとだけその状態をキープして
ゆっくり深呼吸をしてみる。

フぅ~っと大きく息が出来たら
イヤな気持ちが手放せた証拠。

これだけで?と思うでしょうけどこれだけです。

深呼吸しながら、フィルムについた
悪い感情を拭き取っている感じでしょうか。

悪い感情がつきすぎて、何が映っているか
わからなくなっているフィルムも
悪い感情が消えるころには、
どんなフィルムでも「想い出」になります。

良くない出来事かもしれないけど
それも“そんなことがあったな~”くらいになります。

出来事は消えないし無くならないけれど
そこにくっついた感情はいくらでも手放せます。

これが忘れるコツです。

母も私も湧き上がってくる不安を手放しました。

最初は今後に対しての不安と
できないことばかり口にしていた母。

そのうちできることに目が向き始め
今日はこれができた
前よりできるようになった
今度はこうするんだと、
いつの間にか未来に希望を持っていました。

忘れると前向きになります。

すぐイヤなことを思い出すなら
やってみる価値ありますよ♪

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