機嫌がよければ、なんでも御馳走!

「今日で2年経ったのよ~」と

母からメールが届きました。

 

2年前、母は手術をしました。

それほど大変ではないとはいえ手術当日は

父・私・弟が病院で待機をすることに。

 

緊急対応用のPHSを渡され

終わるまでひたすら待つ。

 

弟は持ってきた仕事に取り組み始め

父は図書室で本をパラパラ

私は病院内を散策したり本を読んだり・・・

 

場所を移動せず作業する弟のところに

定期的に集まり、お互いの行動確認をしました。

 

予定時間を知らされているので

見通しはたっているはずなのに

なかなか時間が進まないように感じます。

 

「まだだね~」

「そうだね~」

 

同じ会話を繰り返して、時間が経つのを待ちます。

数時間の手術でこうなのだから

長時間の手術に立ち会うご家族は本当に大変ですね。

 

予定時間を超えて手術は終了。

ドクターから説明を受けて

母のところに顔を出して病院を後にしました。

 

家に帰ってくると、すっかり夜になっていました。

「明日の昼から仕事だから~」と

母が事前に用意したお土産を車に載せて

弟は帰宅の途につきました。

 

弟を見送ったら、はぁ~と大きなため息が出ました。

疲れなのか、安堵なのか、よくわからないけど

長い一日だった・・・と肩の力が抜けました。

待つのもパワーが必要だわ。

 

ホッとしたらお腹が空いてきました。

「お総菜でも買って、ササっと食べます?」と父に問うと

「いや、何か食べに行こう!」と父

「え? あ、はい・・・」と私

 

父は講師を務める写真教室の皆さんと

お茶したり、食事をしたりすることはあるけど

家族で外食することは、ここ数年ないに等しい。

 

家で食べたほうが気楽♪という父だし

たまに帰省する私も、その気持ちはわかるので

家で鍋やホットプレートを囲むのが定番。

 

その父が外食を提案!!

 

珍しいな~と思いながら

外食に反対する理由もないので

父とひとまず出発。

 

田舎町なので外食といっても限られる。

「あ~、あそこはどう?」と父が提案したのは

 

某牛丼チェーン店 Σ(・ω・ノ)ノ!

 

父がそこを選んだ理由はわからないけど

私とちがって、食べる機会もないだろうから

2つ返事でOKしました。

 

「へぇ~、いろいろあるんだね~」

「組み合わせもできるのかぁ」

と、父はメニューを見ながらひたすら感心。

 

「よし!これにしよう!」と

かなりガッツリ系のメニューを選ぶ父。

私も同じものを注文して、

父娘でささやかな慰労会のスタート。

 

だからと言って会話が弾むわけでなくw

「いや~、長かったねぇ」

「でも、よかったねぇ」

「ひとまず安心だね~」

と、同じような話の繰り返し。

 

それで充分。

そういう家族なんで。

 

きっと、父が一番気を張っていたのだと思う。

ドクターから術後の経過予想を聞いて

「それならよかった・・・」と

父が本当にホッとした様子は

今までに見たことがなかったから。

 

慰労会はササっと終わったけれど

本当に美味しい食事でした。

 

 

記憶は感情が大きく動いたときに起きるもの。

不安や心配が安堵へ変わった時だったから

ここ数年の中では、かなり強力に覚えている出来事。

 

機嫌が良い時の食事は、メニューが何であれ

気分を良くしてくれます。

牛丼屋さんのメニューも御馳走になるのです。

 

母は大変な思いをしたのですが

私には思い出になった時間でした。

 

 

 

 


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